<インタビュアー> では早速インタビューを始めさせていただきます。 今回のインタビューはエンビジョングラスを購入していただいたご夫妻、Tさん Kさんと、弊社のチーフデザイナーを務めていただいております、静岡県立大学 国際関係学部の石川先生3名の対談形式で行いたいと思います。よろしくお願い致します。 <T> お願いします。 <K> よろしくお願いいたします 。 <インタビュアー> 早速インタビューに移りたいんですけれども、まず一つ目の質問で、エンビジョングラスをどのように日常的に使われているのか教えて頂いてもよろしいですか? <K> はい、じゃあ私の方からでよろしいですか? <インタビュアー> はい、お願い致します。 <K> 主に食品の仕分けとか、それに印字されている使い方とかレシピみたいなものを読むことが増えて、結構管理がしやすくなりました。 <インタビュアー> お料理されてる時も使われたりするんですかね? <K> あの、する前に準備段階で、例えばソースとか、あと間違えないようにこれはなにだなっていうのをエンビジョングラスで確認したり、あるいは買ってきて、しまうときとかそういうときにも使います。 <インタビュアー> 毎日使われる感じですかね。 <K> 二日に一回は使うことが多いです。 <インタビュアー> そうなんですね、ありがとうございます。なにかこう、冷蔵庫にしまわれるときとかお料理の前に使われるということですかね。 <K> そうですね。買いものに行った時はどうしても誰かと一緒にとか、 お願いすることが私まだ多くて、家に帰ってきてから仕分けるときに使うことが多いです。 <インタビュアー> そうなんですね、ありがとうございます。なにかこう他に、家事以外で使われている… <K> 家事以外だと、例えば郵便物の仕分けとか。書類を簡単にどういうものだって読んで仕分けをする…例えば私宛なのか夫宛なのか、そういうので使ったりもします。 <石川> Tさんは家事には協力してないんですか。 <T> はい 、いやあの私も協力はしてます。例えばちょっと料理中にもうちょっと、これを調べてくれとか言う時にエンビジョングラスを取り出して確認したり。そういうことはしてます。 <石川> 共同作業って感じですね。 <T> そうですね。その方が早く食べられますからね。 <石川> 私将棋が趣味でして。テレビでタイトル戦なんかやってるときに、最近AIの形勢判断ってパーセンテージで出てるんですけど、これをよくエンビジョングラスのインスタントテキストで読ませて、55%対45%とかね。そんなふうにして使ったりしたりしてるんですけど。趣味とかそういう分野の方ではどうですか?KさんTさんどうですか。 <T>  そうですねあの、オンラインで映画を観たりとかそういうのが多いんですけども、そういった時にこう、画面の中からいろいろ選択しなければいけないんですが、それを音声が出ないので、エンビジョングラスの通話の機能なんかを使って、義理の妹に読み上げてもらったりして。そういうふうに使うこともありますね。 <石川> 協力者の通話機能、Kさんも使ってますか。 <K> はい、使いました。 <石川> 今義理の…妹さんでしたっけ、って言うことはKさんの実の妹さんですよね。 <K> そうですそうです。 <石川> そうするとよりKさんのほうが聞きやすいっていうか、のかなと思ったりするんですけど。色んな…例えばコーディネートとか。そのあたりどう… <K> やりますやります。 <石川> あ、やりますか。 <K> はい。 <石川> やっぱり色検出だとちょっと若干非力というか、その光の当たり具合で色の識別って違って、その都度違っていったりするので、やっぱり人の目で見てもらうのが一番かなぁと思うんですけど。 <K> はい。意外と細かい画面の情報とかもカメラを通して見えてるんだなって思ったのと、それこそあの…もうちょっとこうしてって言ってカメラを引いたときに、全身が見えてるんだなぁっていうのとかが結構驚きでした。 <石川> そっかそっか。じゃあ協力者にこう、見てもらって自分でこういうふうに、その…メガネを向けるとより認識の精度が上がるんだなって学習にもなったりするということですね。 <K> そうです。 あの、二人で街中歩いてみようとか言ってこう…エンビジョングラスかけて歩いたことがあるんですけど、いまいちカメラをどこに向けていいのか分かんなくってウロウロしてたらなんか知らない方に『大丈夫ですか?』とか言って何度も言われて。きっと怪しい二人だと思われたかなーとか思ってたんですけど、なんか妹とかにこう…カメラの向け方とかを言葉で説明してもらいながらやったら、あこういう向きなんだっていうのがわりと分かりました。 <石川> あのエンビジョングラスはグーグルグラスのエンタープライズエディション っていうハードウェアを使っていて、まぁスタイリッシュというか近未来的だっていうふうに言われているんですけども、そのあたりはどうですかTさん。 <T> そうですね、ちょうど今このインタビューの間つけておこうと思って、あのメガネをかけた状態でやってるんですけども、すごく顔にも…これは私の顔だからかどうかわかりませんが、ちゃんとフィットして。ほとんど重さもあんまり重くないですし、触った感じも非常にスムースな感じで、なかなか近未来に生きてる気分を十分感じますね。 <インタビュアー> エンビジョングラスの操作性というか、操作方法等は覚えるのってどうでしたか? <T> 操作方法は非常に簡単ですね。もう右手の人差し指でスワイプしたりタップしたりするだけなので、もう極めて単純ですし、なんか複雑な動きをすることはないですから、もう簡単に誰でも使えるんじゃないかなと思っています。 <インタビュアー> さっき外で使われたってお話されてたんですけれども、何の機能で外歩かれたのかなと思ったんですけど <K> インスタントも使いましたし、探す…みたいなのも使って <T> 探す…見つける?見つけるか。そうですね、最初買ってすぐですね、いろいろ試してみようということでコンビニにまず行きまして、コンビニの中でまぁ当然お店の方も最近は非常に親切なので手伝ってくれるんですけども、自分たちでもいろいろと探索したいという欲求がありまして、それでまあ冷蔵庫の前に行ってビールらしきものを握って。お酒って点字では書いてあるんですけどね。お酒じゃ中身が分からないので、買いたいものかどうかエンビジョングラスで見てみて、希望の銘柄をうまく認識できたこともありましたし。あと冷やし中華とか、何かありますよねあの麺類なんかも。自分が食べたいものを探したいということで、いろいろ見てみるとちゃんと分かったので、かなりこれはまあ画期的ですね。人が手伝ってくれればまあそれはそちらのほうが良いに決まってるんですけど、コンビニなんかは店員さんが少なくて忙しいときもあるので、その時も活用できるかなと思ってますね。 <石川> エンビジョングラスは今2人で1台共用ですか。 <K> そうです。 <石川> ぜひもう一台いかがですか。 <T> もう一台あると、それぞれ使えるので <K> 同時に。 <T> 同時に使えるのでいいかなぁと思ってます。今回あの購入した時は、自治体の助成をしてもらったんですね。で自治体のその助成というのは、まあこういった機器が今まで対応してなかったので、まあ既存の助成の枠組みの中でどれに当てはまるかということで色々と検討してもらって。最初は『無理です』って言われたんですけども、そう言わずねもうちょっとこの有効性を理解して頂いて、これが不可欠だと、生活に不可欠だということを、まぁ色々と説明した結果、数週間かかりましたけども、何度か会議を開いて頂いて無事に認められたということがあったので、まあ一人認められたので二人目も大丈夫 だろうと思っているところです。 <石川> お住まいの自治体でということですか。 <T> そうですね <石川> 読書機器ですか、それとも拡大読書器っていう枠ですか。 <T> えーと、 拡大読書器の198,000円の枠にしてくれたので、自己負担が随分軽減されました。 <石川>  まぁそう言ってもね、まだ半分以上の負担で申し訳ないなと思うんですけど。 <T> まぁそれでも、それだけの価値があるぐらい毎日…まぁ毎日か、あるいは2日に一回ぐらいはもう使っている感じですね。 <石川> 私あの…インスタントテキストで外では看板を読ませて、『おぉ、こんな店があるのか』とか『あんな店があるのか』って確認するだけでも結構… その通りが漠然とした、なんて言うんですかね、ただ車が多い通りなのか少ない通りなのかとか、広いか狭いかぐらいのことしか分からなかったのが、具体的に何が、どういうお店がある通りなのかということが分かるだけでも結構楽しいなと思うんですけども。 <K> ちょうどあの、家の近く再開発で新しいビルができたので、私も同じようにどういう店舗が入るのかなみたいなのを読ませてみたことがあるんですね。最初はどこに当てていいのかも分んなかったんだけど、だんだんこの辺かなみたいのが分かってくると、あそっか新しくコンビニが入ったんだとか。病院?クリニックも入ってるんだねみたいな情報が分かったりもしました。 <石川> なんかいざと言う時にそういうちょっとした知識というか情報があることで、あそこ利用してみようかっていう風なってすぐにできたりするのでいいかなぁと思うんですよね。 <K> ひとつあの、郵便ポストあるじゃないですか。郵便ポストって一応点字でも収集の時間とか書いてあるんですけど、意外となんかすごく汚れてたりとか。あと点字が潰れちゃってたりとか、なんかまぁいたずらされてたりとかあるし。やっぱりその、汚いものあまり触りたくないなぁとか思っちゃうんですけど 、今回このエンビジョングラスで、きちんと読めたんですね。 まぁもちろんちょっと点字で確認して、あやっぱり読めてるんだっていうことが分かったんです。そういうのにも使いました。 <石川> なるほど。 <インタビュアー> なにかこう、おすすめの機能か何かございましたら…重複したら申し訳ないんですけれども教えていただけますか? <T> おすすめの機能っていう…あのやっぱりとにかく文字認識っていうのが一番おすすめというか。これはもう本当に必要なので、それはすごく大事なんですけども。あとはちょっとまだ使ってないんですけども、紙幣の見分け機能ですね。これは日本円だけは試してみましたけども。まぁ今ちょっとコロナでなかなか無理ですけども、外国の旅行なんかしたりするときには役立つんじゃないかなと思ってますし。それからあと、最近アップデートしたら、光の明るさを音で知らせてくれる機能っていうのものも、昔から単体でそういう装置はありましたけど。そういったものも加わってくれているので、部屋の中の明るさがどうなっているのかなぁとか。これあの、職場なんかでこう自分が最後になっちゃったときに電気の消し忘れがないかなとか、悩んだことを確認したりするのにも役立つかなと思ってまだあの実践はしてないんですが、可能性があるかなぁと思っています。 <石川> 紙幣の検出機能は精度が良くなったので、日本円の識別もすごく速くなって良くなりましたし、今Tさんおっしゃったようにちょっと海外行くような時にはすごい更に便利かなぁと。あの日本の紙幣はまだ少しサイズが違っていてまだしも分かったするんですけど、全くサイズの同じだったりするドルとか、ユーロもそうかな、だからサイズが違うっていう方がむしろ例外的かもしれないので。だから紙幣の識別機能ってニーズが結構あるんじゃないかなと思ってます。 <T> そうですよね。紙幣が本当に、アメリカのドルは全く100ドルも1ドルでも一緒で。 <石川> こわいですよ。 <T> あとは物を見つける機能…あのこれはちょっと試しに色々やってみたら、テレビのリモコンどこ行ったとかいうときにちゃんと探してくれたりとか。あと風景を説明してくれるモードがあるので、ちょっと街中で写真を撮って、この辺なにかなぁとか。そういうのはやってみるとやっぱり、あの先ほど石川先生おっしゃってたように、いろんな普段気付いてないことは発見することはありますね。あとバスの、あのバス停で時刻表をちょっと調べてみたんですけど、これはちょっとなかなか歯が立たなかったんですよ。もうしょうがないので通話の… <石川> 義理の妹さんの登場ですね。 <T> そうです。義理の妹がいつでもフリーっていうわけじゃないので、もうちょっとあの…Be My Eyesみたいにですね、たくさん登録者がいてそこにいつでもマッチングしてくれるような機能もあると。そういうのあると良いよねぇ。いいと思ってますね。 <石川> Be My Eyes になるかどうかわかんないですけど、Be My Eyes のような人的サポート… まぁ不特定多数による人的サポートのマッチングっていうか。アプリとか、そういうサービスとの連携ができるといいですよね。 <T> そうですね。あのーかなり個人情報というか、そういうものがどうしても確認したいときは、やっぱり信頼できる人が…。このチャンネルは絶対必要なんですよね。加えて、まぁちょっと賞味期限見てもらうとか。そんなのはどなたでもお願いできるんじゃないかなと思うので、そういうモードもあるとすごく広がると思いますね。 <石川> あと私、夜中に起きて動いていたり、早朝に起きて動いていたり、生活のリズムがめちゃくちゃなんですけど。そういう時はなかなか協力者と言っても難しいので、タイムゾーンを超えて、なんかサポートしていたりすると、起きている昼間の時間帯で、まぁできれば日本語が話せる人だと、すごくいいかなぁって思ったりして。 <T> そうですね。 <石川> 他に何か要望とか希望とかありますか。 <T> 何か、あるかな… <石川> なんていうか、今あの…AIの認識技術ってやっぱり年々急速に機能が向上しているので、現時点での今の認識技術ということ、できることを提供しているっていう感じだと思いますけれども。オンラインのクラウドでの処理をやっているので、 認識技術の向上がそのまま機能にすぐに反映するっていうふうなこともあるので、さらに文字認識だとか画像認識の機能向上って期待したいなと思うんですけれども。これはあの私たちもいつどこでどういうブレイクスルーがあるかちょっと分かんないんですけど、期待したいなと思ってるんです。 <T> そうですよね。まぁこの…常にオンラインでつながっているので、新しいアップデートがいつもできるので、そういう意味ではいいですよね。 <石川> 外出時はオンラインで使われましたか。 それともオフラインでした? <T> えっと、オンラインですね。 <石川> あぁ。じゃあモバイルルーターかiPhoneっていうか、スマホのテザリングとかですか。 <T> テザリングですね。 <石川> まぁオフラインじゃもうちょっとインスタントテキストとかスキャンテキストの精度が、日本語についてももうちょっとできるようになると良いかなと思いますけどいかがですか。 <T> いやーそれはあの、オフラインモードだとあまりあの、このオンラインと比べると精度がちょっと今下がっているような気がするので、そう思ってくれるとありがたいとですね。どうしてもオンラインにできない環境の時もあるので、そういう時に使えるとありがたいですね。 <石川> そうですね。すごく日常的にいろんな使い方を、しかも継続的に使っていただいていて非常にあの…嬉しく思います。 <T> あの…とっても助かっているので、ぜひこの開発をさらに進めて頂けると本当に嬉しいです。 <石川> あの、開発元オランダのエンビジョンテクノロジーっていう会社なんですけども、今日のインタビューの記録を要約したようなものを、会社のほうにフィードバックして、さらに励みにしてもらおうと思います。ありがとうございます。 <T> はい。ぜひ日本でも使っている視覚障害者がどんどん増えていくといいと思うので、よろしくお願いします。 <石川> はい、今日はご協力ありがとうございました。柳本さん(<インタビュアー> )からも最後に何か。 <インタビュアー> はい。本日はインタビューにご協力いただきありがとうございました。TさんKさんほんとに日常的に頻繁に使ってらっしゃるというのが伝わってきて、私もすごく嬉しく思いました。では本日のインタビューはこれで終了とさせていただきます。 ありがとうございました。 <T> ありがとうございました。 <K> ありがとうございました。